産地レポート Vol.12
2018.12.07
今年は、台風の塩害が心配されておりましたが、訪れた畑の若松は青々としていて、むしろ出来の良い年とのこと。これは品種の強弱にもよるようで、大王松は塩害に弱く全滅でした。若松などは、産地によっては、水を撒き潮風を洗い流すなど塩害を防ぐ対策をしたところもあるようです。お話しを伺うと、近年においてはとにかく人手不足が深刻な問題。超高齢化で年々リタイアされる方が増え、現在では派遣の外国人労働者の方々にやっと来てもらい、ピーク時の人数に比べてどちらも6割を切る人数。ここ数年畑に商品はあっても出荷が追い付かない状況です。
千両は40度を超える日々が続いた夏の猛暑の影響で秀品が品薄そうです。今後温暖化の影響で今年のような猛暑が続くと栽培環境が難しくなってくるかもしれないことも頭の痛い問題。慢性的な人手不足に、多発する台風、酷暑の夏。農業の取り巻く環境はとても厳しい状況です。
ライフスタイルの変化と景気の低迷で価格が一昔前ほどの高い値がつきににくくなっている中、買い手に選ばれる努力ための様々な努力をされていました。20段階以上にも及ぶ等階級をもうけ選別のクオリティの追及。下位等級が不足している傾向と人手不足の現状に合わせた、下位等級を大量に効率的に栽培する試み。2Mの苔松の出荷数量を減らし、三光松などの中型タイプを増やそうかと検討中。千両は実がデリケートで落下しやすいことを苦慮して、昨年からパレット輸送を開始。商品の搬入出時の衝撃を抑えて極力実の落下を防止する試みを始めるなど、毎年仕事の取り組み方についてアップグレードされていることに驚きと感銘をうけました。
日本の伝統行事のひとつとして欠く事の出来ないお正月の商材である松千両。作り手の方の努力とともに我々売り手も更に販売努力をしていかなくてはならないと感じました。
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